宇宙爆撃

それは、生きている間のコミュニケーションは || 蘭郁二郎 宇宙爆撃 (4)

それは、生きている間のコミュニケーションは || 蘭郁二郎 宇宙爆撃 (4)

それは単なる感覚に過ぎません。
…… とにかく、私たちは今、原子の3番目の電子の中にいて、高速の陽子を浴びているのです。

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人間は今、高速の陽子を浴びせて原子(人間が住んでいる原子の電子)の変形に成功した、と科学の勝利に浸っているかもしれないが、なんと自分たちが住んでいる地球の電子は、磁気研究所ボルネオ支部の村尾憲治に浴びせられて、永遠に安全だと思い込んでいるのだ。 彼らが永遠に安全だと信じていた球体が、原子システムから叩き出されようとしているのだ。 …… 彼らは夢にも思わなかったかもしれないが、研究し、生き、愛し、闘い、食べ、科学は彼らの手の中にあると誇示するが、我々にとってはどうでもいいことなのである。その1つの惑星がどこに行くのか、その惑星に生き物が住んでいるのか、私たちは気にしないし、現在のところ知る由もないのです。  しかし、これは私たちの研究室にある実験材料に含まれる原子の話である。私たちの太陽系を含む大宇宙の小さな実験材料が、今、超巨大惑星の物質変換実験室のテーブルの上にないという証拠はないのである。超大型巨人のちょっとした実験によって、私たちの惑星地球が安住の地から叩き出され、崩壊することがないとは言い切れないのだ。…… そればかりか、私の危惧は次のようなことでさらに確信に変わった。  一つは、太陽系を時折襲う原因不明の強力な磁気嵐は、超巨大星が我々の宇宙に原子をぶつけようとしているのではないか、という事実である。  もう一つは、正体不明の大彗星が突然天空の彼方から襲ってくるという事実である。ハレー、ドナッハ、モーハウス、スウィフト、ダニエル……と、近代の有名どころを挙げればきりがないが、そのたびに地球は粉砕され、緊密に回転する太陽系から放り出されようとしている恐怖をご存じだろう。この地球が、きっちり回転している太陽系から粉砕されて放り出されることの恐ろしさを知っているはずだ。

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幸い、彼らは今日まで、地球の電子を太陽系の原子からたたき出すことには成功していないが、私はサイクロトロンの実験材料から電子をたたき出すことに成功し、それは私の砲撃によってたたき出された電子の上にあるはずだったのだ。 すべての生命、思想、文明は粉々に打ち砕かれたはずである。この成功は超巨大惑星の研究所でもすぐに成功し、原子爆弾、我々にとっての宇宙爆弾は産業化されるかもしれない。 –そして、この恐ろしい宇宙爆撃を止める方法は全くない。 ちょうど、私の研究室の材料の原子の中の電子が、この爆撃にどう反応するかを知る方法が全くないように、いくら止めろと懇願しても、止められないのだ。知るすべがないのだから同じことである。 地球の人々が、宇宙爆撃の迫った運命に気づかず、笑い、怒り、歌う姿に、私は集団的恐怖を感じずにはいられません。 一種の身の毛もよだつ恐怖を感じずにはいられないが、超巨大生物の宇宙爆撃によって地球が宇宙の外に放り出され、無残にも崩壊してしまうことを考えると、我慢がならないのである。 その方法はただ一つ。電子が8個ある原子が、そのうちの1個の自爆によって電子が7個の原子になり、元素の自発的な変換が行われるのだ。この奇跡に超大型巨人が興味を持てば、やがて自爆による電子の減少に気づき、その自爆の原因を追及すれば、ついに自爆した地球という電子の科学文化に気づくかもしれない–超大型巨人に我々の存在を知らせるには、それ以外に方法はないのだ 超大型巨人に我々の存在を知らせるには、それ以外に方法はない。私は、この宇宙からの砲撃に先立ち、地球の自爆を、おそらく原子破壊のエネルギーで不可能ではない方法で考えてみることにする。

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7月26日付              第八回  しばらく音信不通だった村尾憲治から突然来た長い手紙は、その内容で木曽をひどく驚かせた。 原爆による元素変換に熱中して、少しおかしくなったのではないかと心配し始めた。しかも、最近研究されている原子破壊のエネルギーは、想像を絶するほど巨大な魔力を持っていて、この魔力に従えば、地球そのものを吹き飛ばすことも不可能ではない、と言うのであった。 そうしているうちに、最初に読んだときに感じたバカバカしさがだんだん薄れてきて、その底から不気味なものを感じるようになった。 村尾の不安は、簡単な試練の予言のように思えた。早速、石井美智子宛に手紙を書いた。  木曽禮次郎から石井美智子への私信。  –東京はとても暑いですが、そちらはきっと東京より涼しいと思います。ところで突然ですが(そういえば先日の石井さんのお手紙に村尾さんがとても熱っぽいと書いてありました)、村尾さんはまだお元気でしょうか。今日届いた手紙によると、どうやら神経衰弱を患っているようだ・・・・・・。つまり、元素変換実験に疑問を呈し、地球を吹き飛ばすという過激な行動にまで出ているのです。どうかよく見て、お知らせください。どうかよく見て、私たちに知らせてください。  そして、木曽の手紙が石井美智子に届いていないと思ったら、村尾からの手紙がもう1通間違って届いていた。  村尾憲治から木曽禮次郎への直筆の手紙である。 –私が感じている不安な気持ちをわかっていただけたでしょうか。 この宇宙が超大型巨人の爆撃を受けるという、地球上の誰も想像したことのない恐怖です。…… そして今、それはもはや嘘でも冗談でも想像でもない。

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なぜなら、私の研究室で、大きな変化が起きたからです。 この手紙を書きながらも、心臓が締め付けられるような感じがする……が、その大きな変化とは、私が実験材料として置いていた一粒の水銀が、突然、自然界の物質に変化したのである。